「苦しい気持ちで押しつぶされそう…」
「世の中イライラすることばかり…」
「自分のことが許せない…」
と生きづらさを持つあなた。
ABC理論を学ぶことで、あなたの心の問題は軽減されるはずです。
目次
ABC理論とは?
ABC理論は、1955年にアメリカの臨床心理学者アルバート・エリスによって提唱されたもので、認知行動療法のルーツである論理療法の基本理論です。
人は出来事を見たり聞いたりすると、何らかの思考をして、その後にその人なりの感情がでてくる、という考えです。
人間が落ち込んだり喜ぶというような感情がどうして起こるかを、出来事(A)、信念(B)、結果(C)の3つで表した、論理療法(考え方を変えることで改善を目指す心理療法)の基本と言われています。
A:出来事(Activating event)
B:信念・捉え方 (Belief)
C:結果 (Consequence)
この3つの頭文字をとったもので、人は「A→B→C」の順番で起きたことを処理しています。
Aは私たちが生活している中で起こる出来事。良いも悪いもなく、ただ客観的な状況を指します。
Bは信念と書いていますが、ABC理論では価値観・解釈などの思い込みや先入観、決めつけなど、無意識で起こる「考え方・捉え方」のこと。
Cは結果。Bを経て現れてくる感情や行動や考えなどの「反応」のことです。
信念(B)によって結果(C)は変わる
例えば近所のおばちゃんたちが集まってケラケラ笑っていたとします。
ここで「何か楽しそうな話してるな~」くらいで通り過ぎていけば問題ないんですが、
とらえ方によっては「私の服を見て笑ってる。恥ずかしい」とか「人の悪口を言ってるにちがいない」など勝手に悪い解釈をして、勝手に自己嫌悪に陥ったり、勝手にイライラしたりしてしまいます。
つまり人は「同じ出来事A」を経験しても、ある人は嬉しいと感じるが、ある人は落ち込む、というような違いが出てくるのです。
そう、真ん中にある「信念(B)」がとても重要なのです。
信念(B)は2種類ある
このABC理論の真ん中にある信念(B)には2種類あるとされています。
(信念=ビリーフ)
①合理的な信念(ラショナル・ビリーフ)
②不合理な信念(イラショナル・ビリーフ)
①の「合理的な信念」の方は「できれば○○ならいい」というような柔らかい、余裕のある考え方なので特に問題はありません。
②の「不合理な信念」が問題です。
この信念が多ければ多いほど、苦しい感情が増えていき、自己肯定感がさがりまくって、生きづらい人生を送る結果になります。
ではこのやっかいな「不合理な信念」ってどんなものなんでしょうか?
不合理な信念(イラショナル・ビリーフ)とは?
ABC理論の提唱者、アルバート・エリスは不合理な信念(イラショナル・ビリーフ)を大きく4つの種類に分けています。
①強烈断定「ねばならない!」ビリーフ
○○すべき、○○でなければならない、という強い断定をしてしまう。
・絶対に成功しなければならない
・人は公平であるべき
・間違いを犯した人は罰を受けるべき
・人には優しくするべき
こういう断定した考え方を持っていると、イライラしたり、怒鳴ってしまったり、落ち込んだりと、感情や行動が爆発してしまうことが多くなります。
②悲観的「サイアク!」ビリーフ
ちょっとしたことで、世の中イヤなことばっかり!サイアク!と嘆く考え方。
・友達に嫌われたら人生サイアク!
・試験に失敗したら世の中終わり…
・彼にフラれたら私はもう終わりだ
悪いことを大きくとらえすぎて世の中真っ暗になってしまう。ひとつの失敗を人生の終わりのように考え、新しいことに挑戦する気力がなくなります。
③耐えられない「ムリムリ!」ビリーフ
思い通りにならないとパニックになり、失敗をしてはいけないというプレッシャーに耐えられず、行動自体から逃げてしまう。
・誰かに嫌われるなんて耐えられない!人と話すのもうムリ!
・試験に失敗するのは耐えられない!そのための努力なんてムリ!
完ぺきであろうとすればするほど、プレッシャーを感じて自分の本来のパフォーマンスが出せないだけでなく、やる前につぶれてしまうやつです。
④価値下げまくり「ダメだ!」ビリーフ
とにかく価値を下げまくり、すべてを否定してしまう思考。
・自分に対して「私は試験に落ちた価値のない人間だ」
・他人に対して「あんなことも知らない彼はどうしようもない」
・社会に対して「今の世の中はダメだ」
自分にも他人にも社会にも理想を強く持ちすぎて、少しでもそれに合わないところがあると完全否定してしまう。
大きく分けて4つに分けられるとは言え、イラショナル・ビリーフは本当にたくさんあります。
事実を冷静に見ようとしないで、勝手に自分や周りを決めつけてしまい、その結果凹んでしまう、怒る、絶望にひたる、恐怖を感じる、などのマイナスな感情に包まれてしまう。
そういう考え方をまとめて「不合理な信念(イラショナル・ビリーフ)」と呼んでいます。
・いつも完璧な結果を残さなければならない
・失敗するなんてダメ人間だ
・周りの人はみんな敵ばっかりだ
・今の世の中はダメ社会だ
・失敗するくらいならやらないほうがいい
・私にこれ以上の努力なんてムリだ
などなど。
ABC理論が出てくる以前は、出来事(A)が直接結果(C)につながっていると考えられていました。
しかし、実際は「凹む」「怒る」「絶望」「怖れる」という結果(C)は、出来事(A)がどんなものであれ、信念(B)が原因で生まれているのです。
このような不合理な信念は、認知療法で「認知のゆがみ」とされ、自分の考え方に同じようなものがあると知ることで、思い込みのパターンを理解できます。
不合理な信念(イラショナル・ビリーフ)を疑ってみる
辛い、苦しいなどの負の感情が押し寄せてきた時、それまで当たり前のように持っていた信念(B)をいくつかの違う視点から見て、そのひとつしかないか冷静に、そして論理的に疑ってみます。
例えば、仕事で失敗してもう終わりだと感じてしまった時
・失敗は本当に許されないことなのか?
・失敗しない人は本当にいるのか?
・会社の社長は失敗したことはないのか?
・この失敗を人に話したら何と言うだろう?
・もう終わりというのは思い込みなのかも…
少しでも「そうかもしれない」と思えただけでもこの信念(B)が変わっていっていると言えます。
「不合理な信念」が「合理的な信念」に変わり始めるのです。
とらえ方が適正に修正されていくと、人は出来事や過去に縛られることなく、自分の人生を生きることができるようになります。