こんにちは、菊乃です。
白黒思考って言葉、聞いたことありますか?
この白黒思考、実はアダルトチルドレンの代名詞とまで言われていて、アダルトチルドレンの生きづらさは白黒思考が強いことが影響しています。
白黒思考について理解を深めて、アダルトチルドレン改善を目指しましょう。
目次
白黒思考が強いと…
人間関係がイヤで、仕事をやめてしまったり、友達関係を断絶したりを繰り返しちゃうアダルトチルドレンっていっぱいいます。
イヤな人がいる職場だって、辞めちゃえばもうイヤな思いしなくていいもんね。
気の合わない友達だって、もう付き合わなくなれば色々悩まなくてすむし。
人間関係を切り捨てるっと、「これで悩みから開放されたー!」って感じですっごくスッキリする。
「よし、次は頑張るぞ」って前向きになれるしね。
私もまさにこの通りでした。
職場にイヤな人がいる
↓
今の職場はイヤなことばっかりだ
(良い所は目に入らない)
↓
「我慢するor辞める」
↓
我慢できない!辞める!
と、恐ろしいほど単純な答えしか出てこなかった私の頭の中は完全な白黒思考だったと言えますね。
若いうちは全然気にしてなかったけど、何度も繰り返していくうちに、仕事も友人関係も続けていけない自分に不安を感じ始めました。
ただでさえ家庭内で安心を感じられなかったのに、他の場所のどこでも安心できる人間関係を築けないんだから、常に心に強い不安があるのは当たり前ですよね。
これがアダルトチルドレン特有の白黒思考から来る『逃げグセ』だと気づいたのは随分あとのことです…
破滅的な結論を出してしまう
白黒思考が強いと…
・ちょっとでもうまくいかないと諦めて、投げ出してしまう
・少しでも気にいらない所がある人との関わりを断ち切ってしまう
・嫌いな人が1人でもいるコミュニティには絶対入らない
という極端な考え方しかないので、人間関係では特に孤独になりがちです。
恋愛でも相手のちょっとした言葉が気になり、許せなくなって破綻…というケースがよくあります。
いずれにしても、それまで作り上げた関係性を、相談や歩み寄りの態度も見せずに一瞬で破滅させてしまう決断を下しがち。
本人は「正しい選択」「答えはこれしかない」と思ってるかもしれませんが、はたから見たらただ逃げてる、我慢が足りないようにしか思えない。
「何をやってもダメな自分」っていうセルフイメージも強く持ってしまうので、ますます生きづらくなってしまいます。
白黒思考(0-100思考)とは?
白黒思考とは、二極思考、0-100思考とも呼ばれていて、物事に対しても人物に対しても、「白or「黒」、「0」or「100」、「正しい」or「間違い」というように、両極端な答えしか持てない考え方のこと。
たった1度の失敗で自分をダメ人間扱いしちゃったり…
違う意見を持った友人を切り捨てたり…
職場でちょっと怒られただけですぐ辞めちゃったり…
いかにもアダルトチルドレンっぽいでしょう?
でもこういう考え方は、程度の差こそあるものの、誰もが持っているものなんです。
でも極端すぎると心を苦しめる原因になってしまって、行動も衝動的、破滅的になり、生きづらさや精神疾患の原因にもなってしまいます。
『極端な決めつけ』をしてしまうために、他の人に相談したり、人の意見を聞いて妥協したりという『中間的』な発想ができなくて、自分を追い込んでしまうような結果にしかならずに苦しみます。
白黒思考の原因
・機能不全家族で育った
白黒思考が生まれた原因は幼少期にあります。
本来小さな子どもには強い興味や好奇心があって、それを試したり表現しますが、親は危険なことややってはいけないことを教えながら子どもを育てていきます。
こういう背景があるからこそ子どもは、「自由にのびのび」だけでなく、我慢しなければならないこと、危険なことなどを知ることができます。
その中で親に相談したり、妥協することを知ったりしながら育っていくもの。
アダルトチルドレンが育った機能不全家族では、こういう健全な親子のやり取りをしてもらえなかっただけでなく、禁止や我慢ばかりさせられた、何を言っても聞いてもらえないなどの親からのしつけ、扱われ方が影響して白黒思考を持ってしまった場合が多いです。
・小さい子どもはみんな白黒思考
幼い子どもは実はまだ白黒思考しか持っていなくて、10歳くらいまではみんなほぼ白黒思考で判断してます。
でも成長過程で経験を積んで、他人の意見や考えを聞いたり受け入れたりすることで、白と黒だけじゃなくグレーな部分もあるんだということを知っていきます。
こういった経験から、妥協、譲り合いを学んでだんだんと白黒思考は弱まって、人間関係のバランスを取れるようになります。
・世代間連鎖
子どもの頃の環境は大人になってからも大きな影響を与えます。
機能不全家族で親から過保護や過干渉に育てられたら、自分で経験しなければならなかった失敗・成功、挫折・立ち直りなどを避けて通ってしまうために白黒思考から抜け出せないケースもよくあります。
ヒーロータイプによく見られる「評価されること=正しい」を信じ切って生きてきた人が親になり、そのままの思考で子どもを育てるとやはり白黒思考の強い子どもになります。
このように、親が強い白黒思考をもっていると子どもへ孫へと連鎖していくことがわかっています。
アダルトチルドレンも世代間連鎖が多いといわれているので、仕組みは同じですね。
ちなみに、私の母はいつも「人生、白か黒。はっきりしないことは大嫌い!」と言ってました…
ただただ親のその言葉を繰り返し聞いていただけでも、子どもの思考って固まっちゃうもの。
まぁ母の行動にしろアドバイスにしろ白黒思考だったので、私の思考がそうだったのも、しかたないことだなぁと思って受け入れています。
・安全を確保するため
子どもの頃からずーーーっと我慢していた心はもういっぱいいっぱいで爆発寸前…
ちょっとのことを我慢する気力もない。
改善策の見つけ方も教えてもらってない。
人に相談、頼るのはよくないと思ってる。
相談できる機会がもしあっても、その人を信用できない。
もう、身を守るためには誰にも接触せずに引きこもるしかない…
このように、
一見、悪い判断ばかり引き起こしていると思える白黒思考ですが、実は自分の行動範囲を狭めていくことで、危険から身を遠ざけて安全を確保するために生まれた心理状態と言われています。
不安が強ければ強いほど防衛するぞ!という気持ちも強くなり、今までの思考を手放すのも難しくなってしまいます。
白黒思考を改善するには?
・自分の白黒思考を受け入れる
アダルトチルドレンどっぷりだった頃の私の夢は…
『双子に生まれたかった』です。(笑)
だって、私の気持ちをまるごと理解してくれて、同意してくれる人がいるなんてめっちゃ嬉しいことだと思いません?
この考えこそがまさに白黒思考。
でもあの頃はまだ気づいてなかったんです。
人間、100%自分と同じ考えを持ってる人なんて絶対いないのに、それを求めちゃって今ある人間関係を切り捨てまくる。
それで当たり前だと思ってたんだから。
何か考えが浮かんだときに「白黒思考になってないかな?」って疑ってみるといいですよ。
「自分の白黒思考だなー」って感じたらジタバタしないでそれを受け入れましょう。
・色んなコミュニティに属する
家族だけ、仕事場だけ、恋人だけ、みたいな狭い世界で生きていませんか?
こういう状態だと自分との相手が少なくて、その限られた相手に合わせなきゃいけないって思っちゃうものです。
なるべく色んなコミュニティに属して、色んな考えを持った人に出会って、たくさんの考え方、生き方にふれることで固まった白黒思考も柔らかくなるし、何よりも「自分の居場所はここだけじゃない」って安心感もできます。
アダルトチルドレンの思考ってほとんどが『不安』から生まれるもの。
浅くてもいいから、できるだけたくさんの居場所を見つけると安心感も増していきます。
・紙に書いてみる
白黒思考が強いと頭で考えることが「絶望系」か「妄想系」のどちらかになることが多いです。(汗)
「もうダメだ…」と考えた翌日に、いきなり頭の中に花が咲き乱れて「もうすぐ白馬にのった王子様が…」みたいな繰り返しをしがちです。
アダルトチルドレンはこうやって現実と向き合うのを避けてきたんだなとしみじみ感じますね。
それを客観的に、冷静に捉えるために日々感じたことを日記などにつけておくのをおすすめします。
冷静に捉えることによって、感情的に物事を見るだけでなくロジカルな思考や改善策も見つけやすくなるのでやってみてくださいね。
・できたことに点数をつける
白黒思考だと0点か100点しかないですよね。
例えば寝坊して学校に遅刻しちゃった日は「失敗したダメな日だったから0点」みたいに考えちゃう。
だけどよく考えてみると、寝坊したのに学校には行ったんだから0点じゃないよね?
朝頑張って急いで支度したし、先生にも謝ったし、まあ厳しく採点しても50点はあげてもイイ。
色んなできたことにも目を向けれるし、0か100だけじゃないってわかってくるから、あまり難しく考えないでやってみましょう。
コツは「できたことを見つける」です!
「そんなの、できて当たり前だろ」ってスルーしないで、朝起きれたこと、歯をみがいた、電車に揺られて会社に行った、全て加算点ですよ~。
白黒思考に苦しむアダルトチルドレンさんへ
自分を守るために身に着けた思考なのに、逆にそれが自分を窮屈に縛り付けてしまう結果になって生きづらさも増してるなんて…
ほんと、アダルトチルドレンって損ばっかりしてるような気がして腹立たしくなることもありますよね。笑
でも、けなげに一生懸命これまで生きてきたんだから、これからはのびのび、自分を表現して楽しく生きていく方法を学びましょう。
白黒思考などの思考のクセは、自分で気付くことから改善に向かっていきます。
白黒思考を持っているからダメだとか、自分に対して一切批判はしないで、良いも悪いも全部をひっくるめた自分を受け入れてあげましょう。
そして我慢をしつづけてきたインナーチャイルドをゆっくり癒やしてあげましょう。
その思いは必ず心に届いて、苦しみから開放されますから。