自分と他人の間には「境界線」をしっかり引こう! ~アダルトチルドレンのために

《自分と他人の間には境界線をしっかり引こう!》

 

こんにちは、菊乃です。

 

「自分と他の人の間には見えないけど境界線があるんですよ」

 

アダルトチルドレン改善カウンセリングで私が一番最初に相談者さんにお話しすることです。

 

もちろん境界について知っている人もいますが、「境界線なんて言葉聞いたこともなかった」「聞いたことはあったけど、意識したことがなかった」という人も多くいます。

 

今回は、心理学での「境界線」について解説します。

 

境界線がなくなると、人間関係のトラブルが起きやすくなるのでぜひ理解を深めてくださいね。

 

目次

境界線って?

 

・自分と他人を区別するもの

境界線と聞いて、一番にイメージするのが隣の家との境にある塀みたいなものですよね?その通りで、誰でも自分と他人の間に境界線を持っているんです。

心の境界だけじゃなくて、身体的な境界線もあります。

 

でも目に見えないので自分が人の敷地に入ってしまっているのか、誰かが自分の敷地に侵入してきているのか、意識してないとわかりにくいもの。

 

「自分」と「他人」は別モノで全く違う存在なんです。(親も「他人」ですよー。自分以外の「他の人」という意味で)

 

「自分の敷地」と「他人の敷地」がそれぞれにあって、お互いが出入りすることはあっても、土足でガンガン入りこんで暴れられて居座って…では、やられた方はとてつもなく傷つきます。

逆に他人の敷地にずっといると、気を遣って心は安らぐ暇もありませんよね。

 

人はみな、境界線があることで、心が健全な状態でいられるんです。

 

・子どもの頃はあいまい

生まれてすぐの赤ちゃんは、お母さんに全てを委ねているので心理的にも身体的にもほとんどお母さんにくっついていて境界線はとても曖昧です。
でも子どもが成長して、自我がでてきたり、自分でできることが多くなるにつれて境界線がハッキリしてきます。

親もその辺りで「子どもと自分は違う存在なんだ」とわかってきて、子どもに自分で決めさせたり、ひとりでやらせてみたりしまそれで子どもも「自分と親は違う」と認識していくんですね。

 

アダルトチルドレンの境界線問題

 

 

悲しいことですが、自分の子どもを「自分のもの」とか「自分の一部」だと勘違いしてる親もいます。

そんな親がしてしまいがちな境界線を乗り越える行為

 

それがまさにアダルトチルドレンを生み出してしまっているんです。

アダルトチルドレンと境界線問題は切っても切れない関係とも言えます。

 

・機能不全家族に境界線はない

機能不全家族では、子どもの意志はいつも無視されてきました。

親の考え・価値観を押し付けられて、子どもの問題もすべて親が判断して子どもはそれに従うしかない。

これは子どもにとってまったく自分の敷地がない状態。親が子どもの敷地を土足で踏み荒らしまくる日常では、子どもは「自分であって自分じゃない」感覚だったに違いありません。

 

大人になっても他人との距離感がわからなくて、他人の問題を背負い込んだり、他人の仕事を断れなかったりと、境界線を踏み込んだり踏み込まれたりを繰り返してしまいます。

 

・過保護・過干渉

もう大きくなった子どもと一緒にお風呂に入って体や髪を洗ってあげる…これは身体的な境界を乗り越えてます。

子どもの望みを聞かずに進路を決めてしまったりするのは心理的境界がなくなってる状態。

いずれにしてもそこに子どもの意志はなく、子どもの敷地は親に完全に侵略されてますね。

 

過干渉・過保護について詳しくはコチラ↓
https://smilefrips.com/ac-over-parenting/

 

・暴力・虐待など

暴力・虐待なんて完全に子どもの気持ちを無視した行為です。親は自分の思い通りにならない時、暴力で子どもの敷地に入り込み、子どもは「どうすれば暴力されないですむのか」を考えますから親の敷地に入り込んで親の気持ちを探ろうとします。

 

暴力を振るってしまうのは親の責任なのに「お前の〇〇が悪いんだ」などと子どもに責任を押し付けるケースが多いので、境界線をしっかり作る余地もありません。

 

また、未成年の子どもに親の性的な相談をしたり、親に同意しない子に対して「お母さんを大切にしないのね」みたいなことを言うのも親子の境界線は無視されています。

 

・共依存関係

共依存の親子には境界線はほとんど存在しません。相手を支えることが自分の存在価値だと思いこんでしまっているので、境界線を作ることは逆に邪魔に感じてしまうケースもあります。

 

共依存について詳しくはコチラ↓
https://smilefrips.com/codependency/

 

境界線があいまいになる原因

 

「子どもの気持ちを無視して、親の価値観を押し付ける」

 

これがズバリ原因だと言ってもいいでしょう。

こういう親は「毒親」と名付けられて、アダルトチルドレンを生み出す大きな要因の1つとされています。

子どもの個性を尊重して、いくら親であっても違う存在であること、それぞれの生きかたがあるということを認める考え方にはしっかりとした境界線があります。

それを全く感じさせてもらえない環境で育ったなら、境界線なんて作れるはずありませんよね。

 

毒親について詳しい記事はコチラ↓
https://smilefrips.com/toxic-parent/

 

境界線がハッキリすると…

 

・自分も他人も尊重できる

「自分は自分、あなたはあなた」がしっかりわかっていると、自分で自分の気持ちを表現したり、思い通り行動したり、自分軸で生きることができます

自分のことも尊重できるのと同時に、他人に対しても尊重する気持ちを持てるようになります。

 

 

・不安感が減る

境界線があいまいだと、他人の分まで心配してしまうので、必要以上に不安感を抱えてしまいます。
境界線がちゃんと引けると「他人の問題は他人が責任をとること。自分ができるのはここまで。」と判断できるので不安や心配が減ります。

 

・イライラが減る

境界線が引けないと、他人が自分の思い通りにならないときにとてもイライラしてしまいます。なんとかコントロールできないかと他人の敷地に入って心の中を覗こうとしている証拠です。

 

・自己肯定感が上がる

自分の意志を大切にするため、自己肯定感が上がります。他人と自分を区別できているので周りの目をきにしないで「自分は自分でいいんだ」という気持ちが強くなります。

 

・健全な人間関係が築ける

適切な距離感が保てるので人間関係もうまくいくようになります。
ムリなくNOが言えるようになったり、変な上下関係も作らずに互いを尊重できるため、恋愛でも友人とでも健全な関係を保てるようになります。

 

境界線をしっかりつくるには?

 

・自分の意志を知る・表現する

アダルトチルドレンのように親に敷地を侵害し続けられてきた人は、自分の意志を表すことがとても苦手です。今まで相手の意見の通り生きなければならなかったんだから自分の気持ちを抑え込むのは当然ですよね。

 

そのことで心がとても苦しくなるんです。そんなときは自分の気持ちや意志を大切に扱うことをオススメします。

 

「嬉しい」「気持ちいい」のアンテナを高くして、心地いいと感じることを多く取り入れていきましょう。

小さい頃からこういうことをずっと我慢してきたアダルトチルドレンは最初は自分の感情を捉えにくいかもしれません。

初めは身の回りにある食べ物やお風呂の温度、洗濯物の香りなどで自分がどう感じるかを確かめていくといいですよ。

 

 

・踏み込んでくる人と離れる

境界線について意識しはじめると、踏み込まれてるのがわかってきます。

いくら親でも、恋人でも「しかたないこと」とあきらめずに、ちょっと距離をとってみることを考えてみましょう。

「自分のことを思ってくれるからこそ」と捉えてしまうとなかなかできないかもしれませんが、境界線を作ることは相手も尊重することなんだということをしっかり理解して、その上で自分のことも大切にする覚悟をもつことが必要です。

 

・実際に壁や境界線があるのをイメージする

漠然と「境界線ってあるんだ」って頭で考えるだけじゃなくて、はっきりと線や壁があることをイメージしてみましょう。

紙に「わたし」「あなた」と書いた真ん中に太い線を書いてみて、それを見てみるだけでもOKです。

 

私も今でも時々、母の言ってた言葉が頭でぐるぐるしちゃうときがありますが、その時は「お母さん、それはあなたの意見でしょ」って声にだして言って、イメージの中で母親を遠ざけて自分の敷地から追い出します。(笑)

けっこう効き目があるのでオススメですよ。

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この記事を書いた人

菊乃です♪
苦しみから逃げまくってた過去を乗り越えた経験を生かし、みんなを笑顔にします!!

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