こんにちは、菊乃です。
アダルトチルドレンの原因は様々あります。
いずれにしても養育者(親)からの育てられ方の影響なのは確かです。
その中でも、今回は「過保護・過干渉」について解説します。
いつもセットで使われてて、同じ意味だと思われてたけど、実は別モノみたいです。
目次
過保護・過干渉の違いとは?
過保護とか過干渉って、毒親の要素としてもよく聞く言葉ですが、実際はどんな状態なんでしょう?
「過保護・過干渉」って、いつも一緒に使われていて、同じもののように解釈されてますが、それぞれの言葉の意味をよーく調べてみると違いがあります。
また、それぞれ、子どもにどんな影響を与えるのか、見ていきましょう。
・カホコは過保護?過干渉?
2017年に放送されたテレビドラマ『過保護のカホコ』を観て「共感するとこありすぎて辛くなった」って声も多く聞きました。
そんな共感の声もある中、あのドラマは「過保護」じゃなくて「過干渉」なんじゃない?って意見もたくさんあったんです。
実際、過保護をイメージすると、子どもを甘やかして子どもの言いなりになってる感じしますよね?
カホコは自分の意見を言わず、親の言いなりだったことを考えると「過干渉」と分類される部分も多いのかもしれませんね。重なる部分もあるのも確かですし。
カホコの話はさておき。
2つの違いを見てみましょう。
・過保護とは?
文字通り、子どもの世話を親が過剰にすること。子どもが心配なあまり、必要以上に世話をしてしまう親っていますよね。「もう1人でできるでしょう?」ってことまでやってあげちゃう。
子どもの言いなりになって甘やかしたりと良くない教育の代名詞みたいに言われます。
過保護のままだと自立ができない子どもを育てることになってしまい、引きこもり、親以外と人間関係を築けない、など、経済的、精神的に自立ができない原因と言われています。
・過干渉とは?
親の願望や意見を子どもに押し付けて、子どもの人生をコントロールしようとするのが過干渉の特徴です。
「子どもが心配」「子どものため」という純粋な親心を飛び越えて、子どもの意見を無視して親の理想の価値観に沿った子どもを育て上げようとします。
親は「子どものために…」と強く思っているので過干渉に気づかないケースがよくあります。
また、自分が子どもの頃できなかったことや叶えられなかった夢をコンプレックスに感じ、その心の穴を埋めるために過干渉になってしまう親も多いと言われています。
子どもにとっての過保護と過干渉
親が子どものことを思って、一生懸命世話をするところは共通してますね。
ただ、過保護の場合は行き過ぎな世話であっても、子どもの意見、要望をそれなりに聞いてあげる余地があります。
子どもの気持ちを考えてみると、「自分を守ってくれる、助けてくれる」と感じられる過保護は、ストレートに愛情を感じられる分、心の安心感は多いかもしれません。
このことから過保護は、決して悪いことばかりではないと考える専門家もいます。
子どもが親からの愛情をきちんと受け取り、どちらも依存することなく、子どもの自立に向かっていく上でなら、多少の過保護も「優しさ」と捉えられますから。
風邪を引いた大学生の息子に親が「風邪薬のみなさいね」と言って部屋まで持っていくというシーンでも、「ありがとう」と優しさと捉えるケースもあるし、「いちいち余計なお世話だ!」と過保護だと捉えるケースも、どちらも可能性としては考えられます。
人それぞれ「過保護だな」と感じるラインは違いますが、子どもがイヤだと思うかどうかは普段の親子の関係性がとても大きく影響しますよね。
だから「過保護は必ずしも悪いわけではない」という意見が出てくるんでしょう。
それに比べて、過干渉にはコントロールしたい親という背景がとても強く、子どもの意見はほとんど聞き入れてもらえません。
子どもの気持ちを無視して進学先や仕事を決めつけてしまったり、服装、食べるもの、友達関係、結婚相手まで親が決めてしまうなんてケースも…
親はよかれと思って「アドバイス」のつもりだったかもしれませんが、言うこと聞くように強制をして、『支配する親と支配される子ども』の関係になり、共依存を作りだしてしまいます。
過保護・過干渉が生み出す問題点
①共依存
自立を妨げるほどでもなければ、過保護は悪いとも言い切れないという意見もあるということでしたね。
ただし、親に「世話をする相手がいなくなるのは淋しい」というような思いがあって、知ってか知らずか子どもの自立を妨害するケースもあります。
「この子には私がいないとダメだ」と思って世話をしてますが、その親にとっても実は子どもがいなくなるのが怖くて、子どもが一人では何もできないようにしてしまうなどの共依存関係を引き起こすのはよくないケースですね。
過保護の目的が「子どもの自立」なのか「親子共依存の維持」なのかで全く違うものになるということです。
②意見が出せない・わからない
子どもが自分の意見を持ち、自分で色んな判断をできる年齢になっても過干渉で全てに親が意見を通してしまうと、何をするにも人まかせになってしまいます。
親の言うなりに生きてしまったことが原因で、自分がどう感じているのか、本当は何をしたいのかわからないまま苦しみます。
逆に自分から出てきた感情を表に出せずに人間関係がうまく築けなくて悩むことも多く見られます。
③人のせいにする
ずーっと親の言いなりで、自分の意志で動いたわけじゃないので、何かうまくいかないことがあったら全部親のせいにします。
こういう時、今まで抑えてきた気持ちが爆発して、今までずっと親に従順だった人が急に親に反抗したり、暴力をふるって暴れたり…ということも。
④自立できない
世話を焼きすぎるために、子どもができるはずの時期になっても一人でできない、ということが起こります。
親の干渉がイヤで煙たがっていても、いざ何か決断しなければならないことがあると親を頼るしかない…。自分で責任を取る勇気も方法も知らない。
こんな背景から社会に馴染めず孤独に悩むケースが見られます。
他にも…
・いい子を演じてしまう
・NOが言えずに自己犠牲しがち
・見捨てられ不安が強くいつも不安定
・急に怒りを爆発させる
・人間関係が続けられない
・極端な価値観に振り回される
・自責の念が強い
・依存症になりやすい
・失敗を恐れて行動できない
などなど…
「これぞ、アダルトチルドレン!」と言えるような特徴が多いですね。
過保護・過干渉は機能不全家族の大きな要因ですから、アダルトチルドレンを生み出す直接的な原因でもあるんです。
過保護・過干渉に育ち苦しんでる方へ
人間は生まれてすぐから、一般的には成人する18歳~20歳前後まで親に養育してもらう、という動物の中ではめちゃめちゃ長ーい期間を親に頼っていく生き物です。
これは私の感覚なんですが、他の動物と同じで「自立」することが人間にも本能として備わっていて、それをさせてもらえないとか、妨害されると、「心が反乱を起こす」みたいなことが起きるんだと思うんです。
どんなに自分の意見を押さえつけられても、やっぱり自立するための自己主張みたいなやつって必ず心にあるし、「ないもの」として一生過ごすことができないのが人間なんだと。
自分の心から出てきた気持ち、意見を尊重して自分の人生を生きることは、人間の本能にしたがって生きるっていうことなんですよね。
行き過ぎた過保護・過干渉で傷ついた心は、自分自身を大切にして意見を尊重してあげることで回復していきます。
・インナーチャイルドを癒やす
・自分を苦しめる価値観を手放す
・自分を大切に扱って安心感を育てる
この3つを中心に取り組むことで、アダルトチルドレンの生きづらさは改善されます。
ぜひ取り組んで、自分らしい人生を歩きはじめてくださいね。