アダルトチルドレン専門カウンセラーの菊乃です。
「私ってほんとにダメだな~」
「自分には価値がないんだ…」
「あの人はすごいな、それに比べて私は…」
こんなふうに自己肯定感が低いって感じて苦しんでるアダルトチルドレンさんいませんか?
生きづらさを感じてなんとか克服しようと、色んな情報を集めると必ず出てくる『自己肯定感』って言葉。
なんとなーくわかるような気もするけど、ハッキリわからない…
意味を誤解して、余計に自分を苦しめちゃってる人もいるから、よく理解することが大切です。
今、自己肯定感が低いって悩んでる人も、何だかわからないけどいつも心がモヤモヤするって人も、自己肯定感のしっかりした子どもを育てたいと思ってる人も、これを読んでしっかり理解してくださいね。
目次
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、「自分の存在すべてを無条件に受け入れて、肯定すること」。
できてもできなくても、失敗しても成功しても、どんな状況でも変わらず自分を認めて肯定できる感覚のことで、自己肯定感が低い状態が続くと…
・人の意見や評価に振り回される
・劣等感を強く持つ
・失敗が怖くて行動できない
・自立心が弱く、誰かに依存してしまう
などの問題を抱えてしまい、生きづらさを感じやすいと言われています。
『自己肯定感』を誤解してない?
勉強ができる、スポーツができる、仕事ができる、お金を持っている、容姿がきれい、権力を持ってる、などなど自分を肯定できる要素は色々ありますね。
でも、こういうふうに「〇〇があるから私には価値がある」と感じるのはそもそも間違いなんです。
自己肯定感って何かができるからとか、何かを持っているからとか、誰かの役に立っているからとか、そういう”条件”に関係なくて、『ありのままの自分の存在そのものに価値がある』っていう感覚のこと。
勉強できるとかスポーツができるとか、最初に挙げた”条件”って全部、「人と比べてどう見えるか?」ってことでしょう?
自己肯定感にそんなのは関係なくて、できないことも、苦手なことも、ぜーんぶひっくるめて自分の存在を認める感覚を持つことをいうんです。
ここを誤解しちゃってると、いつまでも自己肯定感は上がりません。
だって世の中には自分よりできる人って、ゴマンといるからね。
人からの評価で振り回されてるうちは、なかなか自己肯定感は上がらないので、できるできないにこだわらずに、挑戦したというそれまでのプロセスを認めるようにするのが自己肯定感を保つコツです。
「できる人もいる。できない人もいる。私はできないけど、それも含めて全部私ですけど、何か?」って感じで!
自己肯定感が低い原因
人は思春期までに経験したことが、人格・性格などに影響されやすいことがわかっています。
安全基地がない機能不全家族で育ったアダルトチルドレンは、心が不安なまま成人して、生きづらさを抱え続けることもよくあります。
・親子関係
自己肯定感が低いのをすべて親のせいと考えてしまうのは注意が必要ですが、小さい頃からの親子関係に自己肯定感が大きく影響していると言えます。
愛情・愛着やコミュニケーション不足、兄弟姉妹との比較が自己肯定感低下の原因にもつながります。
他に親からの影響としては以下のようなものもあります。
・親からの影響①過保護・過干渉
なんでもかんでも手を出され、口をだされると、すべてを人の意見・評価にしたがうようになって子どもは自分軸を形成することができなくなります。
・親からの影響②怒られっぱなし
親が精神的に不安定で子どもを怒ってばかりだと、子どもは自分が悪いと思ってしまうもの。
不機嫌な親の前では嬉しいとか楽しいを表現できず、自分の感情を抑えつけていつもビクビクしながら自分を責めるパターンになってしまいます。
・親からの影響③条件付きで褒める
「1等だったなんてすごいね」「100点取ってエラいね」など何かができた時に褒めると、子どもは「できなかったらダメだ」と思ってしまうようになります。
結果よりも「ずっと頑張ってたもんね!」というようにプロセスにフォーカスして褒められると子どもの自己肯定感は高まります。
アダルトチルドレンのタイプ別に見ると、親や家族とのこんな関わり方が自己肯定感を低くしていると考えられます。
ヒーロー・プリンス/プリンセス
人の目ばかり気にして育てられた
優秀・完璧であることを求められてきた
条件をクリアすると認めてくれる
ロストワン
いないものとして扱われてきた
「お前に価値はない」と言われ続けてきた
プラケーター・イネイブラー・ケアテイカー
誰かの世話をすることでしか価値を感じられない
特定の役目以外に居場所がない
スケープゴート・クラウン
周りを気遣っていないと自分の居場所がない
自分の本当の気持ちを表現できない
タイプは様々ありますがこんな環境にいたアダルトチルドレン。
心を育ててくれるはずの親が、逆に子どもの自己肯定感を踏みにじったり、全然気にもとめずにいたりして、自己肯定感が低くなるのもうなづけますね。
・友人関係など
学校でクラスメイトにいじめられたとか、先生から差別を受けたなど大きな打撃を受けて、周りのサポートを十分受けられなかったケースでも自己肯定感は下がってしまいます。
他にはSNSの影響で、フォロワーや「いいね」の数が自分の価値だと思いこんでしまうなど、様々な要因があります。
自己肯定感を高めるには?
「自己肯定感は高くなきゃいけないわけじゃない」ってことを知っておくのも大切。
生まれつき不安感が強くて、自己肯定感が低くなりやすい性格の人もいます。
ただ、ある程度自分を肯定できないと生きづらさに苦しむことになるので、自己肯定感を少しずつでも高められるように意識するのがいいかな。
人間の脳はいくら歳をとっても成長や変化を続けるものなので、自己肯定感を高めるのに年齢は関係ないと言われているので諦めないで、これから紹介するワークに焦らずゆっくり取り組んでみてくださいね。
・自己肯定の前に自己受容!
「肯定」とか「これでいい」という言葉に抵抗を感じちゃう人もいます。
「肯定」の反対は「否定」ですよね?今まで自分を否定しつづけてきたのに、急に正反対の「肯定」なんてできません…
とか
「これでいい」の「いい」って部分がどうしても「良い」って理解しかできなくて、受け入れられません…
とかね。
これって0-100(白黒)思考で、極端な考えしかできない認知のゆがみの1つ。
確かに私もこういう言葉にすっごい敏感だったから気持ちはわかります。
そういう人は「自己肯定」の前に「自己受容」をしてみましょう。
どんな考えを持っていても「ああ、自分はこう思っているんだ」とそっくりそのままを受け入れるだけ。
できなかったら「できなかったー」と受け入れる。
ポイントはそこに感想やジャッジを入れないこと。
「できなくても『いい』」と言ってしまうと評価してる感がでちゃうので、一歩手前までで止めておきましょう。
この自己受容をしっかりするのが、自己肯定感を高める基礎となります。
焦らずじっくり進んでいきましょう。
・手放す
全てを受容することができたら、次は自分を苦しめているもの(物質的・精神的)を手放すことを始めましょう。
過去にあったイヤな思い出、憎いと思ってる人やモノ、完璧主義な考え方など、自分がこれから幸せになるために必要ないものはどんどん捨てていくんです。
なかなか急にはできないかもしれないけど、「私にはいらないんだ」と自覚するだけでもOK。
・自分を大切にする
自分のことを好きになれないせいで、つい自分をほったらかしにしてないですか?
自分から出てくる感情を無視したり、体を酷使したりすると、心はどんどんすり減ってしまいます。
健康面を大事にするだけでも、自己肯定感の向上につながると言われています。
セルフケアに意識して取り組むと良い変化が期待できます。
・安全基地をつくる
どんな失敗をしても、傷ついても、まるごと包み込んでエネルギーを充電してくれる安全基地。アダルトチルドレンは小さい頃になかった人も多いかもしれません。
でもこれからでも作れるから大丈夫。
安全基地についてはコチラを見てね↓
https://smilefrips.com/securebase/
・小さい達成を喜ぶ、褒める
朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて…を当たり前のことだと思ってませんか?
どんな小さな行動でも「できた!」としっかり感じて自分を褒めてあげてください。
アダルトチルドレンはできなかったことに目を向けがちだけど、日常生活でできたことだってたくさんあるはず。どんなに小さくてもそれをひとつずつ丁寧に認めてあげるのが大切です。