こんにちは。
アダルトチルドレン専門カウンセラーの菊乃です。
アダルトチルドレンはその特徴によって
ざっくり5~8のタイプに区別されています。
※8つのタイプについてはコチラ↓
https://smilefrips.com/ac-8types/
タイプによって特徴や問題点が違うので
自分がどのタイプなのかわかっていると
対処しやすいと思います。
でもどのタイプなのか
きっちり振り分ける必要はありません。
「なんとなくコレかな?」
「これとこれの混合かな?」
くらいで大丈夫。
今回はイネイブラータイプについて
解説したいと思います。
目次
イネイブラータイプって?
イネイブラーという言葉には2種類あり、
ポジティブな意味では「支える人」ですが
ネガティブ面ではちょっと厄介な存在として
とらえられています。
アダルトチルドレンのイネイブラーは
このネガティブな方にあたります。
「人の問題行動を手助けすることで
その人の問題行動を悪化させる」と
解釈されています。
典型的なのは
アルコール依存症で暴れる父親のために
お酒を買いに行ってしまう子どもや、
酒代を稼ぐために必死に働く母親など
結果的にこの父親のためにならないことを
繰り返す役目を担う人を指します。
家事や育児を放棄する母親の代わりに
幼い弟妹の世話をするのも
イネイブラーの役目です。
プラケーターは親を心で支えている一方
イネイブラーは行動することで支えます。
支えるために世話をすればするほど、
なおさら世話しなければならない状況に
陥ってしまう共依存のひどい状態です。
イネイブラータイプの特徴・問題点
・共依存関係に陥る
イネイブラーの家族は
問題を起こすメンバーに対して
回復させるために優しく世話をしますが
依存者本人はその優しさが甘えの原因になり
「絶対に立ち直るぞ」という決意を
持つことができません。
「支えてくれる、尻拭いをしてくれる人が
いるからまだ大丈夫」と思わせています。
一方、支えている方は支えることに
存在意義を感じているので
依存関係を断ち切るのはとても難しいです。
支える対象がいなくなった途端に
ひどい無価値感に襲われてうつ病などを
発症することも少なくありません。
共依存についてはこちらもご覧ください↓
・感情を抑え込む
子どもらしさを出せた経験がなく、
自分の欲求を表現することが苦手です。
抑えているのが当たり前なので
自分はどう思っているのかにも気づかずに
過ごしてしまいます。
・自分の問題から逃げる
家族の問題に必死に取り組んでいるために
自分の問題からは逃げたり無視するのが
くせになってしまいます。
いつも家族のために尽くしているので
誰かに怒られたり責められたりもせず
そのままのことが多くなります。
・ダメ男、ダメ女を選んでしまう
人の世話をすることこそが
自分の価値だと思っているので
手助けが必要な人を恋愛の相手に選びます。
自分が世話を焼くために
しっかりした人には興味を示せないので
恋愛以外でも健全な人間関係は築けません。
他にも
・世話しすぎて相手をダメにする
・自己犠牲を喜びと感じる
・幸せになってはいけないと思っている
・頼られないと罪悪感を持つ
・しっかりした人を嫌う
・優しくされるとパニックになる
などの問題を抱えています。
イネイブラータイプ改善の取り組み
・抑えていた感情に気づく
家族の崩壊を防ぐために、
これまで言えなかった恐怖、不安、淋しさ、
怒りなどの感情を全て認めてあげましょう。
自分から出てきた感情を「ないもの」
とするのが一番良くないことです。
きちんと感情を口に出してみる、
ノートに書きあげてみる、などをして
「ここにこんな感情がある」ということを
十分に知ってあげてください。
・共依存の仕組みを知る
どんなに自分が相手に優しくしても
相手のためにはならない、ということを
理解することが必要です。
もともとは相手のためだと思ってしたことも
悪循環にハマり、自分にも相手にも
悪い影響を及ぼしている事実を
しっかり受け止めてください。
・自分で立ち直らせる、世話をやめる
問題行動を起こしてしまう本人には
共依存である状況をきちんと伝えて
自分は世話をやめる選択をしましょう。
両者とも、自分の問題は自分で解決する、
という決意をしなければいけないんです。
自分の存在価値がなくなってしまう不安も
自分で乗り越えなければなりません。
・自分を大切にする
自分には自分の人生があります。
親の人生とは別のものです。
これからは「自分の人生を楽しんでいい」と
自覚して、好きなことや楽しいことを
取り入れることを拒否しないでください。
嬉しい、楽しい、という気持ちを
丁寧に受け取ってあげると
心はどんどん癒やされていきます。
イネイブラータイプの方へ
いつの間にか家族を支える存在に
なってしまっていたあなた。
一生懸命家族を支えてきたのに
それが誰のためにもなってなかったなんて
ショックだったでしょう?
友達と遊ぶことも、やりたいことも
すべてを犠牲にして尽くしてきたのに…
でも、誰かの世話をすることは
あなたの価値ではありません。
その家庭に生まれ育ったことも
あなたのせいではありません。
すべてから開放されることを
自分自身に許してあげて、
これからは自分の人生を歩いてください。
抑えつけていた感情を解放させることで、
心は癒やされていきます。
イネイブラーを自分でやめることが難しいと
思う場合はカウンセリングが有効です。
誰かを頼ること、助けを求めることは
恥ずかしいことではありませんから。