あなたの親は毒親?
「毒親」と聞くと本当にどうしようもなくひどい親を思い浮かべてしまうかもしれませんね。
もちろん、誰から見てもどうしようもない”毒親の極み”みたいな親も存在することは確かです。(汗)
でも言葉がキツめだとか、教育熱心でちょっと口うるさいだとか、「毒と言うほどではない」親のほうが多いんじゃないでしょうか?
ある相談者さんの場合、母親はコミュニケーションが上手で大勢友達がいてリーダーシップがあるタイプなんですが、相談者さんはとても内向的で一人で遊ぶのが好きなタイプ。母親からよく言われた「どうしてもっと積極的になれないの?」という言葉をずーっと気にして、自分を責めて生きてきたそうです。
このケースみたいに、親は大して気にしてなくても子どもが「毒」と感じて大人になってもそれをコンプレックスにして悩んじゃうことって意外とあるんです。
親にとっては「自分もそう育てられた」「自分も親からよく言われた」ということを当たり前のようにしているだけで、時代によってはそれが子どもにとって良くないなんて全然考えてないことばかりかもしれません。
特に昭和の教育どっぷりで育った親なんて、子どもに厳しくすることも、親や先生の言うことを聞くことも、周りの人に合わせることも、全部よかれと思ってるやっちゃってる。今ではありえないけど、学校でも家庭でも体罰だって当たり前だったんだから。
「子どもの個性を重視」なんて言葉、昭和にはなかったし…
私の親も、怒るとめっちゃ暴力ふるってきたけど、その部分が自分をアダルトチルドレンにしたとは感じていません。それより母の持つ強い価値観にふりまわされたと思ってます。でも、たった1度暴力されたことが深い心の傷になって、アダルトチルドレンになってしまった人もいます。
なので、子どもによって何をどう感じるかも違うので、毒親に定義なんてないのかもしれませんね。
だからといって暴力でも価値観でも、「これは当たり前なんだ、親からの愛なんだから耐えるしかない」って思ってしまうのは自分の心を無視してる証拠。自分がキツいと感じたこと、イヤだと思ったことはちゃんと「自分の中に存在する感情」として認めてあげることがとても重要です。
決して「毒親」という言葉にこだわる必要はありません。
親を「毒親じゃない」「毒親だ」と、どちらかに振り分けようとするのではなく、「毒親的要素もあった」くらいに考えておけばいいと思います。
以下は「機能不全家族の要因」ですが、「毒親の要因」と言い換えることもできるので、目安にしてみてくださいね。
□暴力など身体的虐待
暴力をふるわれた。また、直接でなくても自分の大切にしている物を壊されたり、家の壁を叩き壊すなどがあった。家族同士の暴力があった。
□性的虐待
実際に性的行為に及ばなくても体を触られたり、性的な言葉をかけられたり、裸をじろじろ見られたり、逆に裸を見せつけられたりした。家族の性行為を見せられたことも最近では性的虐待と言われます。
□依存症の家族がいた
家族の誰かが、アルコール、薬物、ギャンブル、仕事、買い物、性、セックス、非行、害のある人間関係などにのめり込んでいて、家族がいつも混乱し、家で安心できなかった。
□言葉の暴力
「お前はブスだな」「デブだからどんな服でも似合わない」という顔や容姿をよくバカにされた。「バカ」「のろま」などわかりやすい言葉だけでなく、「あんたのせいで苦労ばっかり」「冷たい子だねぇ」とイヤミや皮肉を言われ、罪の意識を植え付けられた。
□自分の存在を否定された
「お前なんか産まなきゃよかった」「いらなかったのにお父さんが無理に産ませた」「隣りの子と変わって欲しい」などと言われた。
□家庭内の不和
両親が言い争う、ケンカが絶えない、無視を続けて憎しみあっていたなど。また親とその親(しゅうと、しゅうとめ)の不仲で常に緊張状態にあって安心を感じられなかった。
□愛のない家庭だった・ネグレクト
親が仕事漬け、病気、家出、自殺などで世話をしてくれる大人がいなかった。
育児放棄までいかなくても、具体的に愛情表現をしてもらえなかった。話しかけてもちゃんと聞いてもらえなかったり、受け入れてもらえなかった。また極度にスキンシップが少なかった。
□おどされた
「○○したら家から追い出してやる」「いい成績とらないと学校をやめさせるぞ」など直接のおどしから「生意気なことを言うとこうするぞ!」とペットを傷つけたり殺すまねをしたり、母やきょうだいに暴力ををふるうなど具体的な虐待を予告しておどされた。
□家族以外の人に絶対に言えない秘密があった
家族が事件を起こして警察沙汰になった、刑務所に入っていた、性的虐待をうけていた、家庭内暴力があった、精神病の家族がいた、私生児、親の浮気、遺伝病など、誰にも言えない秘密があって、友達にも誰に対しても自由に感情が出せなかった。
□過干渉・親からのコントロール
「サッカーはダメ、スイミングにしなさい」「あんな友達と付き合っちゃダメ」「子どもは余計なこと考えないで勉強だけすればいい」「お金が欲しいなんて思っちゃダメ」など「あんたのためだから」と一見優しさのような干渉をしてきて、親の望む価値観に沿った行動や思考をコントロールされた。
□いつも他人やきょうだいと比べられた
「お兄ちゃんは○○できるのに…」「少しは隣の子をみならってほしいわ」「どうしてあんたは○○くんみたいに勉強しないの?」など比較ばかりされた。またきょうだいの中で差別があって、悪いことは全部自分のせいにされた。
□親の期待が大きかった
いつも自分の能力以上の期待をされ、テストで小さなミスを指摘されるなど完璧を求められ親に満足してもらえず褒められたことがなかった。(完璧でないと価値がない)自分のやりたいことや性格は無視されて、親が自慢するため、親の欲求を満たすだけの道具みたいに扱われた。
□他人の目ばかり気にする、外面だけよくふるまう
お金もちとか、ステータスの高い仕事や学校、肩書、学歴ばかり重視する親だった。子どもの人格や個性、何が幸せかを無視して、「他人から評価されことこそが素晴らしい」という親の価値観を押し付けられた。
□過保護・過度に甘やかされた
子どもが欲しがるものを何でも買い与えたり、機嫌が悪くなると何から何まで親がしてあげたりするなど、過度に甘やかして過保護に育てていた。また子どもが息苦しいほど親が欲求のままに溺愛していた。理由もなく「いい子ね」「頑張り屋だね」と言われていた。
□一貫性のない親
親の気分によって、ある時は必要以上に厳しく怒られたり、ある時はどんなことをしても見過ごされたりと親の言い分がコロコロ変わり、つじつまが合わないことが多かった。いつ急に怒り出すのかも、理由もわからなかった。
このような機能不全家族は子どもの安全基地としての役目を果たしてくれません。
家にいて安全さや快適さを感じることができなかったことでアダルトチルドレンは出来上がってしまうんですね。
安全基地についてはコチラ↓
「親は別に悪くない」と思っている方へ
「私がアダルトチルドレンになってしまったのは親のせいだ」と思える人ばかりではありません。親を悪いとは思えなかったり、責めることができないからです。(これもアダルトチルドレンの特徴のひとつです)
子どもは基本的に親のことを愛しています。親に悪い所があったとしてもそれを認めたくないのが子どもの心。大切に育ててもらった、優しくしてもらったという気持ちがあると、「あんなに幸せな家で一生懸命育ててもらったのに、こんなことができない自分はダメだ」「こんな考えをしてしまう自分が悪い」と自分を責めるほうに考えていってしまいます。
自覚はないけど「親は敬うもの」とか「家族は仲が良いもの」、「親を悪く言うと責任を押し付けてるみたい」っていう価値観に影響されてしまってる人も少なくありません。
「親が悪い」と考える必要はありません。親自身もその親から受けた教育でアダルトチルドレンとして育ったのかもしれませんから。
最初に話した通り、日本では、周りと同じことができなければならないとか、世間体や人目を気にする特性を持っていて、昭和生まれなんて特に学校でもガチガチの価値観で教育されています。
親がキツい価値観を持っていてもしかたのないこと。厳しいことが最善と思っていたり、親に意見など許さないというような考えをもっていたとしても、それは親のせいではないからです。
時代が流れ、正しい情報を手に入れられるようになった現在、教育や子育ての常識も一昔前とは全然違います。あなたの親が悪いとか間違っているとかそういう問題ではありません。「どのように育ったか」ということに善悪をつけたり、感情をのせたりせず、事実として受け止めるところから始めましょう。
このように「自分はアダルトチルドレンかもしれない」と思っても、このような葛藤に悩まされ、改善への一歩を踏み出せない人はたくさんいます。
「自分がアダルトチルドレン=親が悪い」わけじゃないことを知っておいてくださいね。
アダルトチルドレンの問題は家族が関わる分とても根が深く、受け入れるだけでも時間がかかり、その悩みを誰にも言えずにひとりで苦しんじゃってることが多いです。
誰かを責めたり、怒りをどこかにぶつけるのではなく、まず自分の中で受け入れることをやってみてください。
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アダルトチルドレンについて知る
まず、アダルトチルドレンについて知り、親から何らかの影響を受けたのかを考えることで自分の現状をとらえるきっかけになります。
辛い人生を送っていると「色々考えたくない」とつい逃げてしまいがちですが、改善のためには向き合うことがとても重要です。
ここでは、アダルトチルドレンがなぜ生きづらいのかしくみを知ることで、改善にむけて進んでいって欲しいと思います。
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毒親に育てられるとなぜ自己肯定感が低くなるの?
子どもの頃の親との関係や家庭内の環境を知る
以前は暴力をふるう親やアルコール依存症の親がいるといった、誰の目から見ても問題のある家庭での虐待などが問題とされていましたが、最近では世間一般的に普通、それどころか立派と思われている家庭ほど世間体を気にするあまり、子どもを押さえつけたり支配しているケースがたくさんあったりします。
外から見るといい家庭に見えるので、問題も表面化しづらく、子供自身も愛情たっぷりで育てられたと思っているので、アダルトチルドレンであることや苦しさの原因になかなか気づけません。
暴力を受けたとか直接的なことだけでなく、他の家族が暴力されるところを見ていたり、子どもが傷つくような否定的な言葉や見捨てられるような言葉をかけられたりしても、心に傷が残ります。また親は良かれと思ってやっているしつけや教育(過保護や過干渉、支配や過剰な期待)も、アダルトチルドレンの原因になってしまいます。
虐待されれば、「自分は愛されていない」と思ってしまいます。
「勉強できるのが良い子」という価値観を持っている親に育てられたら、「勉強ができない自分には価値がない」と思ってしまいます。
「何事も頑張る子に育ってほしい」と言われ続けて育ったら、心も体も削って頑張り続け、「休もうとする自分はダメな人間だ」と思ってしまいます。
子どもにとって親の言葉というのは、何よりも重く、心を縛り付けるのです。
虐待とまでいかなくても、親が持つ価値観によって、子どもの自己肯定感を左右してしまうのです。
子どもは親が持っている価値観そのままに生きようとします。でも子どもが成長し、自分が持つ本来の姿と親の価値観がかけ離れていくと、まず自分を責めてしまうのです。
自己肯定感を高めるにはコチラ↓
あなたの親はどんな言葉をよくかけてきましたか?
どんな人になってほしいと言っていましたか?
そこに自己肯定感を下げてしまう原因があるかもしれません。
まず、自分の家庭でどんなことが起きていたかをしっかり考えてみるところから始めましょう。