自己否定にハマっちゃうアダルトチルドレン:Aちゃんのお話

 

こんにちは、菊乃です。

 

親から虐待を受けていたある女性(以下『Aちゃん』とします)が、私に相談してきました。

 

Aちゃんはもちろんアダルトチルドレンで、出会った頃は自己否定がすっごい強くてなんでもかんでも自分のせいにしては苦しんじゃうアダルトチルドレン代表のような人でした。

 

でも今は『思いグセ』や『認知のゆがみ』を少しずつ矯正して、本来の自分を取り戻すために頑張ってるところです。

 

今日は彼女のお話をしますね。

 

目次

親と絶交中

 

Aちゃんは現在、40代で自立していて親とは別居しています。連絡もほとんどしない、いわば絶交のような状態で、できるならもう2度と会いたくないと思ってるそう。

 

親と離れたことでやっと心の平穏を手に入れたわけです。

 

そんなAちゃんをまた自己否定の沼に引きずり込んでしまうある出来事が…

 

聞いてみると、会社でお盆休みに帰省するしないの話を同僚としていて、何気なく言った「親と絶交してる」って言葉をたまたま上司に聞かれちゃったことが発端。

 

その上司は「いい年した大人が親と絶交なんてよくないね。どんな親であれ、ここまで立派に育ててくれたんだから感謝する気持ちを持たなきゃ。絶交なんてやめたほうがいい」と、怒っている様子ではなかったけど、諭すように話してきたそうです。

その上司は60歳くらいで、いつも優しくAちゃんに色々教えてくれる人のようです。

 

だからその人の意見を尊重しなければ…って考えちゃったところから自己否定の気持ちがムクムク湧き上がってきたみたいですね。

 

 

自己否定の嵐

 

アダルトチルドレンの克服に向けて頑張ってるAちゃんですが、今は心が落ち着いてるからといって、全く心が揺れ動かないわけじゃありません。

基本、不安にもなりやすいし、思いがけないことがあればめっちゃ動揺しちゃいます。

 

Aちゃん、3日くらい色んな考えが頭をぐるぐるめぐって他に何も考えられなくなったそうです。

 

最初は

「いつも優しくしてくれる上司の言葉だから、ちゃんと受け入れなきゃ」

「私のために指導してくれたんだ」

という気持ちが強くて、考えを改めたほうがいいかも、とちょっとだけ思ったので、親のことを考え始めたら…

 

Aちゃんの頭の中では、ちゃんと作ったはずの境界線を親が軽々と乗り越えて親が眼の前に来て大声で怒鳴り始めたそうです。

 

「あんたはほんとに薄情な子だね!お母さんのことを可哀想だと思わないの?!」

 

昔よく聞いた言葉が頭の中を駆け巡った途端に、どうしようもない罪悪感に襲われてしまったんですね。

 

「親を大切に思えない私は普通じゃないのかも」

「私の心が狭いせいで親とうまくいかないんだ」

 

こうやってAちゃんの頭には自己否定の嵐が吹き荒れていったのでしたー。

 

まずは境界線を引く

 

 

「私、人間として間違ってるのかな…」

私に会って開口一番、言ったのがこの言葉でした。

 

疲弊しきったAちゃんに、まず私は上司との境界線を引くことを提案しました。

 

上司がAちゃんのことを思いやってくれて、いつも優しくしてくれることで、Aちゃんとしてはその上司の言うことを受け入れなきゃならないって感じているようです。

 

でも、冷静に考えてみると上司はただ自分の意見を言っただけ。いまのAちゃんの意見とは違う意見だった。それだけです。

 

アダルトチルドレンは親の顔色を伺いながら、親の言うことを聞くことで今まで自分を守ってきたので、こういう場面になるとつい相手の敷地に入って心を探ろうとします。
しかも相手はいつも優しくしてくれる人。願いを叶えてあげたくなっちゃう気持ちもうなずけます。

 

でもね、いつもお世話になってるから、優しくしてくれるからといって、その人の意見を全部丸呑みする必要なんてないんです。

 

だってその人と自分は違う人格なんだから。

意見が違っていても当たり前。

 

だからといってその人を批判してることにも嫌っていることにもなりません。

 

このあたりがアダルトチルドレンにとって難しいところなんですよ。

 

「親の意見を聞かなかったら嫌われてしまう」という方程式ができあがってるのかもしれませんね。本当にけなげで涙が出そう…

 

Aちゃんには上司を尊重する気持ちを持ったまま、しっかり境界線を引く大切さを話しました。

 

人のことは否定できない、自分のことは全否定、ってアダルトチルドレンの手強さをとても感じますね。

 

同じ手順でAちゃんにピッタリ貼り付いて、耳元で騒ぐお母さんのことも境界線の外側に追いやっていきます。

Aちゃんには、まず間近にいる厄介な相手を遠くにふっとばすワークを繰り返しやってもらいました。

 

親といくら物理的に離れても、ちょっとスキを見せると瞬間移動して境界線を簡単に乗り越えてきちゃうのがアダルトチルドレンの親なんです。

 

親が亡くなっていても「いつも自分を見ていて意見を言ってくる」と言ってる相談者さんもいるほど…

 

 

自分の敷地の外に出て行ってるのを何度も何度もイメージするワークが効果的です。

 

境界線について詳しくはコチラ↓
https://smilefrips.com/ac-boundary/

 

 

『親子仲がいい』はただの理想

 

次はAちゃんの『思い込み』の解除にとりかかります。

 

 

親子とか家族って仲がいいほうがいいに決まってます。

 

でもね、仲良くしなきゃいけないなんてこともないんです。

 

アダルトチルドレンには色んなパターンがあって、親の「毒」がどの程度かもさまざま。想像するのが難しいくらいひどいケースもあります。

 

毎日殴る蹴るを繰り返されて、親の行動が全然変わらないのに仲良くなんてできるわけないでしょう?
子どもにとっては自分の命まで脅かす存在なのに!

 

ところが世の中では「家族仲がいい」「親に感謝する」っていうことがすっごい評価されますよね?

 

 

 

 

「家族と仲良くできない人は何か問題がある」みたいな扱われ方もします。今回のAちゃんのケースもそうですよね。

 

多様性だの個々の生き方の尊重だの言うくせに、家族問題はめっちゃ無視されてるでしょう?

 

内情も知らないくせに「親を大切にしろ」なんて言う人が人格者扱いされたりしちゃてさ。

 

だからね、これが今の世の中の事実だということをよく頭に叩き込みましょう。

 

こんな世間一般の目なんか気にする必要はありません。「仲良く」が一番いいなんて大間違いですから。

 

それはあくまでもみんなの『理想』なだけ。

 

アダルトチルドレンは自分の命を守るために親を遠ざけてるんですから、あなたたちの理想をかなえるために生きてるんじゃない!って堂々と言ってやればいいんです。

 

そりゃあね、Aちゃんだって、私だって、家族仲良く暮らしたかったですよ。

 

でも、それはもはや私たちにとって『夢物語』なんです。どうやったって叶わない。(今の時点ではね)

 

親と仲良くしたくて、ずーーーっと我慢し続けて親に命を奪われたってニュースがよくあるでしょう?

それでも「仲良く」なんて言えるんでしょうか?

 

親を自分の世界から遠ざけて、存在を感じないことで私たちアダルトチルドレンの日々の平穏が守られているんです。

だからアダルトチルドレンが悪いわけじゃありません。1ミリたりとも、です!

 

 

あ、ちょっと感情が高ぶってきちゃったのでそろそろまとめますね(汗)

 

まとめ

 

Aちゃんとはこうやって色んな話をしながら

 

・「人は人、自分は自分」を確認
・自己否定する必要なんて全然ないこと
・いらない『思い込み』は捨てる

 

などなどをまず頭で理解してもらって、体に染み付くまでワークをつづけてもらうことにしました。

 

補足ですが、遠くにいて絶交してたって、Aちゃんは母親を憎んでるわけじゃないそうです。

「お母さんにも色んなことがあって、私に対して暴力を振るうしかないところまで追い込まれてしまったんだ」と言ってます。

 

心が優しいのもまたアダルトチルドレンの大きな特徴です。

Aちゃんには、そんな自分を誇りに思いながら生きていってほしいと願っています。

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この記事を書いた人

菊乃です♪
苦しみから逃げまくってた過去を乗り越えた経験を生かし、みんなを笑顔にします!!

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